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  • 2015.08.22 Saturday
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[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その25

今日はサーフブームのキッカケになった「ロックンロールインスト」について。
50年代にロックンロールが人気を集めるようになると、そのバックの「ロックンロール的な楽器演奏」だけのロックンロールインストコンボが現れ始める。これらのバンド群の大本にはブルースやR&Bやカントリーのインストものがネタとして存在しており、ロックンロール登場期にも、ビルドゲットBill Doggetの「Honky Tonk」や、サンレコードのビルジャスティスBill Justiceの「Raunchy」等のヒットがあり、ロックンロールインストバンド群が出てくる下地は十分にあった。

ビルドゲットもビルジャスティスもキャリア組みのプレイヤーであり、年季の入った連中だったが、彼等の放ったロックンロール的なインストヒットが刺激となり、50年代も後半になると全米中からもう少し若い世代、ロックンロール世代のインストコンボやプレイヤー達が続々と出てくる事になる。リンクレイやデュアンエディ、ビルブラックスコンボ、ブッカーT&MG’S、ジョニー&ザ・ハリケーンズ、ヴェンチャーズ、サンディネルソン、ファイアーボールズ、サント&ジョニー、チャンプス・・・彼等はそれぞれオリジナルヒット曲を持っていたが、巷でヒットしてるロックンロールをインストゥルメンタルでカバー、ティーンエイジャーがパーティーでかけるレコード用BGM的な役割を果たす連中もいた。分かりやすく言えばスーパーとかでかかってるシンセ演奏の音楽の50年代アメリカロックンロール版・・・てな感じかな・・。

で、ここからはもはや独断と偏見になるんだが、はっきり言って彼等の殆どは一発屋のような物で、アルバムなどを聞いても内容は退屈極まりない事が多い。アーティストによってはアルバムを作れるほど楽曲を残していない連中もいるはず。別にヒットした物だけが良いものとは言わないが、彼らに関して言う限りヒットしてない曲はつまらない。表に出れなくて当然・・・みたいなクオリティの物が多い。

個人的にはギタリストなので、これらのアーティストはロックギターの歴史を紐解く上では非常に重要だとも思うのだが、研究以外の目的で聞くのははっきり言って苦痛だったりする。そんなこんなで都合よくまとまったコンピ類を紹介。

Vol.1の一曲目、デュアンエディの「レベルラウザー」で聞かれるギター音は「トワンギーギター」と呼ばれ、水を汲んだバケツをエコー替わりに使った(具体的にどうやるのかは謎)とか。この独特のグワーンというサウンドは彼のシグネーチャーサウンドとなる。このトワンギーギターの音の感覚というのがファズやディストーションが主流になる前のロックギターの音の基本として存在したという側面があり、初期ロックギターの発展に関して非常に重要なサウンドだといえる。「ピーターガン」・・・のリフの作り方等もロックギター的には要注目だ。一方17曲目のリンクレイの「ランブル」は、歪み系ギターサウンドの礎となったといわれる。スピーカーが破れて偶然出た破壊的な歪みサウンドを効果的に用いたスタイルで彼はカルト的な人気を博すが「早すぎた」という感も。どちらかというと彼はファズやディストーションが完全にギタリストの間で市民権を得てから、ガレージやパンクの世界でルーツミュージックとして評価されたような一面も。

それまではどちらかというとロックンロールの演奏というとジャズやカントリーの影響が濃く、ミュージシャン達はそうした自らのルーツ的なバックグラウンドを生かしつつ新たな音楽であるロックンロールの演奏を模索していた感があったが、ここに来て新しい世代により、ロックンロールサウンドの確立が成された、と考える事ができる。この時期、トワングとファズという革新的なサウンドやロックインストという形式により、ロックンロールの演奏に大きな変革と独自性が訪れたのだ。
Rock Instrumental Classics 1: 50's
Rock Instrumental Classics 1: 50's
  • レーベル: Rhino / Wea
  • 価格: ¥ 2,510
  • 発売日: 1994/03/22
  • 売上ランキング: 110,856
Rock Instrumental Classics 2: 60's
Rock Instrumental Classics 2: 60's
  • レーベル: Rhino / Wea
  • 価格: ¥ 2,510
  • 発売日: 1994/03/22
  • 売上ランキング: 114,680


デュアンエディ
The Best of Duane Eddy
The Best of Duane Eddy
  • アーチスト: Duane Eddy
  • レーベル: Curb
  • 価格: ¥ 791
  • 発売日: 1999/04/06
  • 売上ランキング: 45,773

リンクレイ
Rumble! The Best of Link Wray
Rumble! The Best of Link Wray
  • アーチスト: Link Wray
  • レーベル: Rhino
  • 価格: ¥ 1,320
  • 発売日: 1993/05/18
  • 売上ランキング: 35,466
  • おすすめ度 3.33


ところで、ブラックミュージックの世界ではかなり昔から「ロックンロールインスト」と呼んでも差し支えないような物が存在していた。殆どがブルースが下地にあるギタリストの物だが、サウンド自体は50年代後半から60年代のプレサーフ期にヒットチャート(=白人の文化圏)に登場し始めた物と何等変わりない。その革新性には驚くばかり。当然彼等はナショナルヒットチャートに出てくる事は無かったが、ブラックミュージックの世界ではそこそこビッグだったので、黒人専門のラジオ局などではそこそこかかっていたのでしょう。リンクレイやデュアンエディなど後にミュージシャンを志すような人々は当然音楽に対するアンテナも高かったはずで、こういうブルースのインスト等の存在は知っており、ネタとしてかなりヒントにしているはず。

20世紀の西洋文明自体が白人による有色人種からの労働力や資源の搾取の上に成り立っている事を考えると、音楽も例外ではないのだな、と思える。言い方を変えればロックンロールはネタとしてブルースやR&Bを黒人から取り上げ、より広く行き渡るように形を整えたものだし、時代はもっと後になるが、60年代後半のブルースロックの時代は搾取のオンパレード。勿論その結果白人達はプリミティブなブラックミュージックを発展させ新たなロックという、別の優れた音楽を提示したし、そのおかげでそれまでブラックコミュニティの中だけで活動していたような数多のミュージシャン達が表に出てきたという事実も見逃せないので、単に悪質な搾取と片付けることはできないが、基本的にロックのキーワードには「白人による黒人からの搾取」というものがあることを頭の片隅に置いておくと面白い。勿論ロックンロールは白人音楽カントリーの影響もかなり大きいのだが、それとてロックンロール誕生前夜辺りにはカントリー側からリズムアンドブルースへのアプローチが見られていたり、とこの辺に関しては今後更なる研究を要する事でしょう。

まずはジョニーギターワトソン。血管が切れそうなハイテンションなストラトサウンドが堪能できます。Space Guitarはアンプのリバーブなどを使って非常にモンドな怪しい雰囲気を醸し出したインスト。コレは完全にロックンロールインスト。他の曲もギターオリエンテッドなブルースやR&B、といったところか・・・。
The Very Best of Johnny
The Very Best of Johnny "Guitar" Watson
  • アーチスト: Johnny Guitar Watson
  • レーベル: Rhino
  • 価格: ¥ 1,320
  • 発売日: 1999/04/20
  • 売上ランキング: 37,702


そのギターワトソンに影響を与えたのが先頃無くなったクラレンスゲイトマウスブラウン。Okie Dokie Stompはブルースギタリストなら誰でも憧れる名インスト。
The Original Peacock Recordings
The Original Peacock Recordings
  • アーチスト: Clarence "Gatemouth" Brown
  • レーベル: Rounder
  • 価格: ¥ 2,377
  • 発売日: 1992/02/14
  • 売上ランキング: 22,579
  • おすすめ度 5


そしてアイクターナー。彼は70年代に入ってソウル方面での活躍が有名だが、50年代から60年代にかけてキングスオブリズムというバンドを率いて野太いストラトサウンドをトレードマークにコレでもかと暴力的に弾きまくっていた。アームをグニャグニャにかけたりして後のロックギターの発展を想起させるスタイルです。何とこの時代に既にピッキングハーモニクスをやって(というかなってしまって)ます。
Ike's Instrumentals
Ike's Instrumentals
  • アーチスト: Ike Turner & His Kings of Rhythm
  • レーベル: Ace
  • 価格: ¥ 2,642
  • 発売日: 2000/12/12
  • 売上ランキング: 46,940
  • おすすめ度 5


テキサスとメキシコの国境辺りにはもっとハードコアなこんな人もいました。英語が話せないメキシコ人のバックバンドを従えたロングジョンハンターLong John Hunter。もはやロックインストを飛び越えて完全にガレージパンクです。それを50年代からやってるってんだからオモロイ。リンクレイのような意識したディストーションではなく、音をでかくしてたらいつのまにか歪んでいた・・・みたいなギターサウンドや、ブルースのスリーコードを毎コーラス間違えるベーシスト(もしかして狙ってるのか?)、それを無視して突っ走るボーカルギタードラム、そしてそれをレコード発売してしまうサムライぶり・・・・等ロック的で「勢いある」テキトーさの美学が詰ってます。でもホントは上手いんだろうな・・・と思わせる部分がチラホラあったりして非常に興味深いアーティスト。
Ooh Wee Pretty Baby
Ooh Wee Pretty Baby
  • アーチスト: Long John Hunter
  • レーベル: Norton
  • 価格: ¥ 2,245
  • 発売日: 1999/11/02
  • 売上ランキング: 104,333
  • おすすめ度 5


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