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  • 2015.08.22 Saturday
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[レビュー]ビートルズ キャピトルボックスVol.2 Beatles The Capitol Albums Vol. 2

今日は、今一部で色々と話題になってる発売されたばかりのビートルズのボックスセットについて緊急レポート。
Capitol Albums 2 (Long)
Capitol Albums 2 (Long)
  • アーチスト: Beatles
  • レーベル: Capitol
  • 価格: ¥ 7,280 (15% OFF)
  • 発売日: 2006/04/11

このボックスセットは60年代にビートルズが、本国イギリスとは違った曲目で出していた「アメリカのフォーマット」のアルバムを復刻、各アルバムごとにステレオとモノラルのミックスで曲を収める・・・というシリーズの第2弾だ。日本盤の発売は6月予定で(解説をつけた直輸入盤は5月予定)US盤は4月11日そしてEU盤は一足先に4月3日に発売になり、無事手元にある人達もいる事だろう。かくいう俺も7日にHMVからCDが届いて、聞きながらこれを書いている。

そしてこのボックスセットに関して、2006年4月9日現在最もホットな話題といえば、「キャピトルのモノミックスの取り違え事件」だろう。

まず、ステレオとモノって何さ・・・という人のために簡単に説明しておくと、ステレオは2つのスピーカーの両側の色んな所から各楽器の音が聞こえてきて、モノラルは各楽器の音が2つのスピーカーの真ん中からのみ聞こえる・・・みたいなイメージで良いと思う。厳密にはこれだけではかなり言葉足らずな部分もあるのだが、キチンと説明するとあまりにも長くなってこのエントリーの焦点がずれてしまうので、とりあえず簡単な説明にとどめとこうかな、と。

話を戻すと、60年代当時、新しく実用化されたステレオ技術に対応する再生装置がそれほどには一般には普及していなかったため、ビートルズに限らず「ステレオ」と「モノラル」という二つの形式でアルバムが発売されていた場合が多く、そのためにレコード会社はマルチトラックで録音したテープからマスターテープを作る際に「ステレオミックス」と「モノミックス」という2種類のミックスを用意し、それをもとにレコードをプレスしていたのだ。

そして、厄介なのは、ステレオとモノでテイクが違っていたりする場合がある事なのだ(同テイクを使用していても、これ又厄介な事に各楽器の音量バランスがステレオとモノで違ったりする場合があって、同テイクなのに別テイクに聞こえて、それを気にする輩もいたりするから事が面倒になる)。

そうなってくると「2つの公式テイク」というものが出来上がってしまい、熱狂的なファンやマニアはそういうことが気になって仕方が無い。例えばビートルズの「プリーズプリーズミー」のステレオではジョンレノンが歌詞を間違っているのがそのまま収められているがモノでは普通・・・という風な具合だ。これはどちらも長い間公式テイクとして2つ発売されていたものだ。

他にもこれこれの曲のステレオのイントロではギターが間違ってる、この曲のモノのエンディングでは誰かの笑い声が聞こえるだとか、あの曲のステレオではエンディングが3回だけどモノだと4回、この曲のモノはエコーが無い・・・とかの一般的なものから、このアルバムのステレオ盤の初回出荷分のこの曲のエンディングにはこういう音が入っているが後に差し替えられた・・・・とか後から新発見されるパターンなんかもあったりして狭い狭い「その道」の中では結構大きな話題になったり、新たな発見があったレコードの値段がいきなりそれまでの何倍にもなったり・・・というようなことが起きたりもする。

また、同一曲でも何度かにわたってミキシングが行われていたりして「このアルバムに入ってるこの曲は何年何月何日にステレオでミキシングされたバージョンだ」なんていう事にまで話が及んでいたりもする。

逆にいえばそれら一連の事を整理すれば、ある1つの楽曲に関して「この曲のここがこうで、こうなってるからこれは何々のバージョンだ」という「基準」にもなり得る訳で、その一連の基準は、マニア間での曲の識別方法としてガイドラインのような役目を果たしていた。

・・・と前置きが長くなったが、今回このボックスに関して、何が起きたのかというと、本来なら当時の「ステレオマスター」と「モノラルマスター」を用意してそれぞれCD用にリマスタリングしてステレオとモノラル・・・としてCDをプレスするはずが、モノラルに関しても「ステレオマスター」を使用してしまった・・・というミスが発覚したのだ。

具体的な一例を示すと、このボックスに入ってる「ラバーソウル」というアルバムの「I'm Lookin' Through You」に関して、通常、この曲はステレオとモノでは別のテイクを使用しており、ステレオのテイクではイントロでギターのフレーズにミスがあり、モノではミス無し・・・という基準があったのだが、今回キャピトルがマスター取り違えをした事によって「イントロをミスしたモノラルバージョン」というニューバージョン、新たな基準が出現してしまった事になる。

この曲以外にもある程度ビートルズのことを知っている人なら認識できる「違和感アリ」「無いはずのモノラルバージョン」が数曲存在する事になってしまった。そもそも今回のこの件が発覚したのは、購入者からの指摘によるものだとか。

そして既にこの事はニューヨークタイムスなどでも話題になっており、キャピトル側でもミスを認め、交換にも応じる・・との事だが、修正バージョン等はまだ市場には出ておらず一部のファンはやきもきしてる状態。

そして巷のちょっとビートルズ好きな人の間で話題になっているのが、遠からず修正されたものが出回るだろうから、このエラーCDがコレクターズアイテムになるかも・・・という事。ただ皆マトモにリマスターされたモノラル音源も聞きたい(俺もそうだ)というのもあって、交換したい気もする、でも将来のコレクターズアイテムになる可能性のモノも所有していたい、でも両方そろえる余裕なんて無い・・・なんてところで頭を悩ますのだ。

更には、Vol.1があまり売れなかったから、ひょっとしてマニア心理を見抜いてるメーカーがワザとやったんじゃ・・・なんて憶測も飛び交ったり、US盤はまだ発売していないので、それはどうなってるのか・・・等何とも混乱したリリース状況となっているのです。

さて、既に手に入れてしまった俺の感想を言えば、「擬似モノラル」とはいえ音質自体は気になるほど悪くは無い。60年代当時流行ったモノラルを強制的にステレオにする「擬似ステレオ」の不自然極まりないような音に比べれば、こちらは「大を小に」みたいなパターンだからなのか・・・。勿論ホントは今回存在しているはずの、きちんとしたモノラルのリマスター音源・・・というものを聞いていない、というか聞けないので、それと比べた場合どうなのか、というのが非常に気になるが・・。

あとは何を目的でこのボックスを買うのか・・・ということにも関わってくるだろう。例えばこのボックスに入ってる「ラバーソウル」の曲はモノラルではCDで公式発売されていないので、それを求めてた人達にしてみれば今回のこの取り違えは結構イタイと思う。

また、60年代全般の「ステレオ」はドラムが片側から聞こえたりと、今の基準からするとヘンテコな楽器の定位の振り分けが多いから、ステレオがそういう定位の振り方をされてる楽曲(ビートルズのステレオには多い)に関してはモノラルで聞きたい・・・・なんていう俺みたいな人もちょっと苦しい。

ちなみに予定通りエラー無しのステレオバージョンのセクションの方は定位の不自然さ・・・という根本的な事さえ気にならなければ、各楽器の音もハッキリクッキリ、プロトゥールズ、デジタル録音、ハイファイ志向の2006年用にアップデイトされた良い音だと思います。でもDTMなんかをやってる人にとっては、今回の擬似モノラル・・・なんてのは普通のステレオ音源を音楽製作ソフトに取り込めば、まったく同じとは行かないまでも作れてしまう音源だとも思うのでそれほどの価値は無いかもね。

ただ「擬似モノラルが入ってるパッケージングされた商品」という部分にこだわるならそうもいかないだろうが・・。レアアイテムを実用的に、「ここでしか聞けない音」的に求めるのか、それとも他人が持っていないものなら何でもいい・・・という風に求めるのか・・・・のマニアの傾向にもよるんでしょうな。

それよか個人的には、届いた物のラバーソウルの紙ジャケが多分製造工程で糊でも張り付いたのだろう、新品なのに直径1ミリぐらいの剥がれが見られることの方がよっぽど気になってたりする。プチ不良品だね。こういうのは後でもしこれが「エラーモノラル」を納めたコレクターズアイテムになった時、売り飛ばすのには結構なマイナス要因なんだよなあ・・・。
こんなんなってた

<参考>
このページの
Mixup in Beatles Mixesというコラム
もあわせてご覧ください。

<追記>
と、このポストを書いてるうちに新たな情報が。
http://www.stevehoffman.tv/forums/showthread.php?t=77191
あくまで今回の擬似モノラルに関して音質が本モノラルよりも劣る事はないそうな。俺が感じてた通りで良いらしい。そうなると、単に今までとはテイク違いのモノが出現した、ということになり、個人的には今回のエラー盤はコレクター商品の仲間入りする方向に若干傾いた気がします。

Although there is no discernible difference in the sound quality in the initial run, Capitol made the adjustment for historical accuracy.


だそうです。initial runってのはエラー盤の事ね。

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