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  • 2021.06.01 Tuesday
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[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その37

 続いて4枚目。一般的に地味なアルバム・・・との評価があるが、確かにパッと聞いた感じではその通り地味だったりする。しかしその分深み、というか独特のコクのような質感があり、「初期の脳天気なビートルズはあまり・・・」という人には一番お薦めの初期アルバム。
まだ新人ながらも既にロックの世界制覇を成し遂げたバンドの余裕のようなモノが感じられ、そこにデビュー時の勢いみたいものも依然として残っている・・・・・という印象。

オリジナルでは、ミディアムテンポのヘヴィな印象のNo replyやBaby's in black、きめ細かいサウンド作りのEight days a weekやWhat you are doingやEvery little thing等彼等のオリジナリティが確立されているのが伝わってきます。アコースティカルなポップ曲、I'll follow the sunも良い意味で気持ちよくないコード進行やメロが心地よい大名曲。個人的にはビートルズで、いや全ジャンルあわせてもベスト5に入るぐらい好きな曲です。

カバーのセンスも良くて、Mr.moonlightはビートルズがオリジナル・・・・・といっても過言ではないぐらい彼等のイメージが強いし、他にもちょっと渋めのR&Bな選曲、ウィルバート・ハリスンのKansas cityとリトルリチャードのHey hey hey、ジョンの「青いR&R声」が炸裂する彼等の18番であろうチャックベリーのRock and roll music(本家よりイイ)やビートルズのバンド名の由来とも言われるクリケッツを擁するBuddy hollyのWords of love等々・・・。

更には訪英中だったカールパーキンスを交えて、本人と一緒レコーディングされた2曲のパーキンスナンバーではジョージハリスンのギャロッピングギターが炸裂します。同時期のイギリスのギタリスト、クラプトンやベックやペイジに比べると地味で埋もれがちなハリスンですが、天下のビートルズで目立ちすぎることなくリードギタリストとして手堅く自己主張していた彼の「センスの良さ」が伝わってきます。ギター奏法的には、難易度が高く、結構派手目のギャロッピングプレイをそつなくこなす彼はなかなかのテクニシャンだったのだと思います。

 


     

 

日本盤           輸入盤          

  

[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その36

JUGEMテーマ:音楽

 続いてサードアルバム。このアルバムは一応ビートルズ人気に乗じて作られた映画「A hard Days Night」のサントラ・・・という事なのだが、そんな付加的要素はどうでも良いぐらいに楽曲の質が高い。しかも全曲ジョンレノンとポールマッカートニーによるオリジナル。3枚目にしてついに彼等の初期の山場を迎えたのかな・・・と個人的には思います。

初期のビートルズのトレードマークとなった「元気のいいコーラスとビート」が炸裂するタイトル曲をはじめ、すでに中期にさしかかった感のあるAnd I love herやIf I Fell・・・ストレートなR&R好きのジョンレノンの独壇場のAny Time At All・・・・と書き始めるときりがないぐらい、全曲何かしら存在感のある曲が満載です。総じてポップな作りですが、このアルバムのように嫌みのないポップさ・・・というのはなかなか作れません。

ファーストやセカンドも勿論素晴らしいのだが、このサードにきて彼等は一流の「プロフェッショナル」になったんだなあ・・・・と感じさせるアルバムです。

日本ではこのアルバムの頃から「ビートルズ」の存在がクローズアップされ始め、高度経済成長がいよいよ本格的になり出した世相を伴い、徐々にスピードアップする世の中において、青少年達はこの新品のロックンロールに夢中になったのでした。長髪でエレキをかき鳴らすビートルズやヴェンチャーズ(彼等はロン毛ではなかったが・・・)に浮かれる若者を見て、大人達は「ロックを聞くと不良になる!」と躍起になってエレキやバンドを禁止しようとしたのでした。それを遡ること約10年前にアメリカでエルヴィスが登場したときのように・・・・。


輸入盤               日本盤
    

 

ダウンロード、ストリーミング

[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その35

JUGEMテーマ:音楽
続いてセカンドアルバム。曲目的に若干地味ではあるけど、シングルヒット曲が入っていないのにこの充実ぶりは凄い。 ファーストはアメリカの50年代のR&R色が強かったけど、セカンドでは彼等のルーツのもう一つである、リズムアンドブルースやソウルを意識したような雰囲気が漂っている。スタイリッシュなジャケットもポップなR&Rを奏でる 「リバプールのバンド」というよりは、ロンドンのクラブシーンでモッズな感じのサウンドを奏でるバンド・・・という雰囲気。
勿論コレはあくまでイメージで、実際は元気のいいコーラスを伴ったR&Rが満載なのだが、ほんのりジャジーでポップススタンダードなTil there was youや感傷的ながらもインテリジェンスの香りが漂うAll my loving、ソウルフルなYou've Really Got a Hold on Me・・・辺りはロンドンのクラブシーンのモッドな空気が漂います。勿論ファーストからの流れをくむチャックベリーのカバーRoll over Beethovenや、シングルカットしても何ら不思議でないキャッチーなオリジナルのIt Won't Be Long、Hold Me Tight等々・・・バランス良く楽曲が配置されてます。
 
ちなみにこのジャケットはアメリカと日本でのデビューアルバムのジャケットに使われたので、印象深い人も多いのでは・・・・?
  輸入盤                  国内盤
         
  

  旧規格輸入盤
  

US仕様のアルバムのボックスセット。英盤とは曲目も違っている。With~のジャケは米デビュー盤meet the beatlesに流用され曲目も異なる。
  

[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その34

JUGEMテーマ:音楽
 今回はお待ちかねのビートルズのCD紹介。ちょうどタイムリーなことにコレを書いている2009年9月現在、ビートルズに関する最もタイムリーな話題は長い間待たれたリマスター音源の登場に関することでしょう。そもそもCD時代になって初めてのリマスターというのだから正に満を持して・・・・の登場なわけです。

そのリマスター盤に関しての検証はまた別の機会にするとして、今回は単純にアルバムとその音楽性に関する話を中心に・・・・・・。

彼等が破竹の勢いでデビューしてヒットをバンバン飛ばしていた時期、63〜64年の勢いというのはこの頃のアルバムを聴くとよくわかる。息をつく暇がない、というか、シングルで発売された物以外の物も含めて駄作が殆どない、というクオリティーは驚異的だと思う。特にアルバムにして4枚目ぐらいまではそれぞれ特徴を持ちつつも、初期のビートルズのシグネイチャーサウンドという物も感じられ、彼等が単に大がかりな宣伝やマネージャーによる巧妙な戦略のみで成り立っていたわけではないことが感じられる。

というわけでまずはファーストアルバム
 
日本盤                   輸入盤
        

この記念すべきファーストアルバムは「ロックンロールバンド」としてのビートルズをうまくパッキングしたような印象。勢いのいい楽曲群はエネルギーが満載です。アルバムトップを飾る挨拶代わりのI saw her standing thereには初期ビートルズのエッセンスが満載。50年代のエネルギーをそのままに、スリーコード物っぽい突っ走り感なのに実際は少しひねってあって・・・個人的には彼等の事が好きな理由の大部分を占める要素だったりします。

ストレートなエイトビート物、ロンドンR&Bシーン、モッズシーンにも通用しそうな黒っぽいナンバー、メランコリックなポップソング・・・と50年代のアメリカンR&Rとそのルーツのエッセンスを思いっきり吸い込み、60年代イギリス風に絶妙なバランスで紡ぎ上げたスマートでハイブリッドなR&Rが堪能できます。

一応リマスター前の物も紹介。80年代にCD化されて以来ビートルズは4枚目まではモノラル音源で統一されてました。今回のリマスターにあたって基本的に全部のアルバムをステレオで統一し、リマスターされたモノ音源はボックスセット(初回限定)でのみ販売・・・というなんともはやファン泣かせな販売方法・・・・なので、とりあえずモノ音源を体験してみたいという人はこちらの旧規格でも聞けます。これだってそのうちなくなって「旧規格盤」等と言ってプレミアがつく可能性も・・。

 日本盤                  輸入盤
        

[レビュー]THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL CD紹介その33

JUGEMテーマ:音楽
 久々のポストですが、何事もなかったように3年前の続きです。今回はビートルズ登場前夜の英国のアーティストを紹介。ワールドワイドな活躍をした人は殆どいませんが、ビートルズの4人を含め、第二次大戦後の英国のベビーブーマー世代の今や大御所・・・なアーティスト達に影響を与えた人達です。ジョンもポールもクラプトンもジミーペイジもリッチーブラックモアもテレビに出てる彼らを見て夢中になった・・・・ってわけでまずは大御所クリフリチャード。


当時はまだロックの後進国だったイギリスでこれだけのクオリティの物をやっていた事に脱帽。アメリカのR&Rを実にいい感じに消化吸収しています。大手の会社故音もいいし、アメリカンロカビリーやR&Rをそれなりに聞いてからクリフリチャードを聞くとクオリティの高さにびっくり。極上のR&R、ポップソング群です。日本では、どちらかというとポップシンガーとしてのイメージが強く、リアルタイムの人達には「ヤングワン」「ラッキーリップス」「オンザビーチ」辺りの印象が強い事でしょう。

バックバンドのシャドウズの演奏も最高。ここのギタリスト、ハンクマービンが本物のアメリカ製のフェンダーストラトキャスター(当時関税か何かの関係でイギリスでフェンダー社のギターを手に入れるのは困難だったらしい)を自在に操り、アメリカナイズされたブリティッシュポップロカビリーを奏でる姿をテレビで見て自らもギターを手にした少年達が後のブリティッシュインベイジョンを担う存在となったのです。

シャドウズは単体でもレコードを出していて結構ヒット曲も持っています。アメリカのヴェンチャーズに対してイギリスのシャドウズ・・・・みたいな図式も。
 


プレブリティッシュインベイジョン期のブリティッシュロカビリーアーティスト達はイメージ的にはアメリカのコピー、レプリカ・・・というのがあるけど、面と向かって聞いてみると(好みの差こそあれ)なかなかどうしてクオリティの高い物が多い。トミースティール、ビリーフューリー、マーティワイルド等「いかにも」な名前が長い間彼らを正当な評価から遠ざけているが、ポップさとアグレッシブさとのバランスとか整合感という意味では本家アメリカのロカビリーを超える物もチラホラ・・・と個人的には思います。



そしてブリティッシュインベイジョンのアーティスト達に「USロック&ロールへの憧れ」だけでなく、「自分もやってみよう」という気を起こさせたのが、スキッフルのロニードネガン。サウンドだけ聴くとサン時代のエルヴィスのように聞こえる。このサウンドを大げさな楽器を持っていなくとも出せる・・・・となれば、当時の若者達が飛びつくのは当然と言えば当然。とはいえドネガン本人にしてみればロカビリーと言うより、黒人のリズムアンドブルースをやってるつもりだったのでしょうが・・・。



対応する本編

5-6「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」

ロックンロールの歴史を紐解く連載「THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL」第5回「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」その6(完結)。

今回は、ブリティッシュインベイジョンについて。
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5-5「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」

ロックンロールの歴史を紐解く連載「THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL」第5回「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」その5。

今回はビートルズのサウンドについて。
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5-4「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」

ロックンロールの歴史を紐解く連載「THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL」第5回「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」その4。

今回は、誕生から約10年経ったロックンロールのビジネスとしてのシステム構築やシーンの成熟度について。
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5-3「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」

ロックンロールの歴史を紐解く連載「THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL」第5回「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」その3。

今回は、ブライアンエプスタインと共にアメリカ進出して「I Want To Hold Your Hand」を出すまでのお話。
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5-2「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」

ロックンロールの歴史を紐解く連載「THE GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL」第5回「ビートルズ登場〜I Want To Hold Your Hand」その2。

今回は、ビートルズの結成から敏腕マネージャーブライアンエプスタインと出会うまでのお話。
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